柔の道

ベース:スイープされる直前に失うもの

墨の挿絵:ベース:スイープされる直前に失うもの

ベースとは「倒れないこと」を指す柔術の言葉で、この競技の単純な 定義の例にもれず、裏側にカリキュラムが丸ごと隠れている。押しや 引きが体を傾けるのではなく、体を通って床へ抜けていくとき、 ベースがある。気づき方は電気と同じだ。動いている間は気づかない。 停電の闇の中、宙に浮いて、何が起きたのかと考えているときだけ。

まず捨てるべきなのは、ベースとは構えのことで、写真に撮れるものだ という考えだ。膝を広く、腰を低く、以上。ところが黒帯は、無造作で、 ほとんど怠惰に見える姿勢からバランスを保ち、初心者は教科書どおり のスクワットからひっくり返される。構えは、その正体ではない。

ベースが実際に住んでいる場所

正体はつながりだ。体重がどう地面に届くか、何点を通って、 どの角度で、そして腰が動いて、いま抜けたばかりの場所へ体重を 戻せるかどうか。写真版は死んだベースで、誰も想定しなかった 角度を待つだけの彫像だ。本物のベースは床との小さな絶え間ない 会話で、調整したと気づく前に調整している。

これで、初心者なら誰もが混乱することの説明がつく。同じ姿勢が、 ある一秒は強いベースで、次の一秒は空気になる。このサイトが何度も 戻ってくる崩し、あのバランスの破壊は、体への攻撃ではない。会話 への攻撃なのだ。

テストはいつも人間だ

しっかりしている感覚では、自分のベースは確かめられない。しっかり こそ、死んだベースがそうでなくなる瞬間まで感じさせてくれるもの だからだ。唯一の正直なテストは、自分が選ばなかった角度から押し、 引き、持ち上げてくる相手だ。

ガードの中で上の帯がやってくることの半分は、じつはこれだ。 何でもなさそうな小さな引きや揺さぶりは、調査なのだ。彼らは あなたのベースに各方向から質問をして、間違った答えが返ってき た方向へスイープする。スイープされたときに役立つ習慣は、 答えを呪うかわりに質問を再生することだ。押しはどこから来たか。 届いたとき体重はどこにあったか。腰はどちらへ動き損ねたか。

いちばん効く二つの調整

コーチングのキューは「床に運ばせろ」だ。神秘的に聞こえるが、 意味はただこうだ。骨が無料で地面に届いているのに、背中の筋肉 で自分を支えるのをやめろ。足と膝の上に礼儀正しく浮かんでいる のではなく、実際にそこへ押しつける体重が、その大半を占める。

もう一つは頭だ。頭がさまよった先へ、ベースも一緒に出ていく。 誰かのガードの中で頭が手より前に出たら、もうスイープされてい て、ただ通知が届いていないだけだ。頭を腰の真上に積んでおくこ とは、脚で何をするよりも多くの「バランスの問題」を直す。これ は古い柔道の知識でもある。講道館が一世紀以上前に投げの体系を 築いた、姿勢とバランスの原理そのものだ。

初心者版の教訓

ベースは、一度保てるようになる前に何百回も失うことになる。 そしてそれはプログラムが機能している証拠だ。スイープは一回ごと に、自分には見えなかった穴についての無料レポートになる。つまり、 崩しの姉妹編の教訓だ。相手のゲームのすべては、あなたのバランスを 奪うこと。あなたのゲームは、今のところ、それをどこに置き忘れ つづけているかを学ぶことだ。

これは初心者の日誌であり、指導ではありません。ここにある内容はトレーニング・健康・医療のアドバイスではありません。資格のあるコーチに学び、早めにタップしてください。 免責事項